「不確かな記憶の探究、そして構築」

スウェーデン・ストックホルムを拠点に活動している音楽家Jakob Lindhagenの記憶についての解釈と構築の1枚。
ドイツのネオクラシカル兄弟デュオBrueder Selkeや、パートナーでもあるSofia Nystrand (Vargkvint)とともに作り上げた本作は、
チェロとボーカルシンセを組み合わせたピアノを土台とし、ミュージックソーやカンテレ、グロッケンシュピール、アナログ機材で録音された音響実験により、ネオクラシックとアンビエント・ミュージックの要素が融合されています。

「記憶は、人間の心にとって、複雑であると同時に魅力的な側面です。幼少期の記憶がいくつかつじつまが合わないことに気付いてから 私は記憶の研究に少し夢中になりました。
記憶は私たちのアイデンティティの大きな部分を占めていますが、非常に当てにならず、時間とともに変化し、消え去り、簡単に影響され、操作されます。
それでも、私は自分の記憶を完全に信頼し、また信頼していないという事実に美しさを見出さずにはいられませんでした。それが私を形作っているのです」

彼の音楽と共に、記憶を辿る旅へと出かけてみてはいかがでしょうか。

--- 店主より ---
Jakobさんを知ったのは、アイスランドのレーベルINNIからリリースされている別の作品を聴いたことがきっかけでした。
音以外の部分、特に視覚的要素に惹かれ、むかし中古CDショップでジャケ買いをしていたときの記憶が蘇りました。

あの時あの店舗で買ったCDは確かあのバンドの作品だったよなあ、なんてことを思ったり。
でも、果たしてそれも確かな記憶かどうかはわからないけれど。